許されない恋、揺れる心 vol.2

葵は心の中で苦しい葛藤を抱えながらも、決断を迫られる状況に立たされていました。拓也と悠斗の両方を大切に思っている彼女は、自分の気持ちと向き合うことを決意しました。

ある日、葵は悠斗と2人きりで時間を過ごす機会が訪れました。彼らは学校の屋上で、風を感じながら静かに座り込みました。

「葵、何か悩みごとがあるみたいだね。」

悠斗が優しく声をかけると、葵は深いため息をついて言葉を紡ぎ始めました。

「悠斗、実は… 私、拓也と付き合っているの。でも、最近自分の気持ちに戸惑っているのよ。」

葵の胸の内を打ち明けると、悠斗は穏やかに笑顔を見せました。

「葵、ありがとう。君が言ってくれるまで待ってたよ。」

その言葉に驚きながらも、葵は悠斗の心の中にも同じような葛藤があることに気づきました。

「え、悠斗…?」

「実は、僕も君が好きなんだ。でも、拓也と仲良くしている君を見て、素直に気持ちを伝える勇気がなかったんだ。」

悠斗の告白に葵の心は揺れ動きました。彼女は友情と恋愛の間で揺れる自分を許せなくて、心の中で苦しみながらも、悠斗との気持ちを受け止める覚悟をしました。

その夜、葵は一人で静かに星空を眺めながら、自分の気持ちを整理しようとしました。彼女は二人の大切な存在を比べることはできないと感じていましたが、同時に悠斗への特別な感情も否定できない自分がいました。

そして、重い決断を下すことにしました。葵は拓也と話し合うため、彼に会いに行きました。拓也との時間はいつも穏やかで、彼が優しく微笑む姿に安らぎを感じていましたが、彼女の心は揺れ動くばかりでした。

「拓也、実は…」

葵は言葉を詰まらせながらも、拓也に自分の気持ちを伝えました。彼女は正直に自分の心の中を打ち明けました。

「葵、ありがとう。君の気持ち、受け止めてるよ。」

拓也は穏やかな笑顔でそう言いました。彼も葵が悩んでいることに気づいていたのです。

「拓也、私は今、自分の気持ちに向き合わないといけないと思う。だから…」

葵は言葉を途切れさせつつも、拓也との別れを告げました。

拓也は少し寂しそうな表情を見せましたが、彼も葵の気持ちを尊重しました。

「わかった。君が幸せになるなら、応援するよ。」

葵と拓也は別れを交わし、葵は再び悠斗と会いました。彼女は悠斗に自分の気持ちを伝えましたが、同時に友情を大切にしてほしいという想いも込めました。

「葵、君の気持ちを受け止めるよ。でも、一緒にいたいという気持ちも消せないんだ。」

悠斗は葵の手を握りながらそう言いました。

葵は悠斗の温かな手にしばられながら、友情と恋愛の狭間で揺れる心を抱えつつも、彼との未来を想像しました。彼女は自分の気持ちに正直になることを決め、友情と恋愛を大切にする方法を見つけ出す決意をしました。